無農薬・無化学肥料栽培30年 八女茶 いりえ茶園

八女茶畑ブログ

カフェインの効果~最後に~

適切に茶葉を保存しておいても、茶の表面に白い粉のようなものが生じる事があり、
カビや農薬ではないかと心配される方もおられますが、その正体はカフェインですから
心配はありません。
茶香炉で茶葉を加熱した際にも茶葉の表面に針状の結晶として昇華したカフェイン
が成長することがあります。


カフェインの効果④

弊害の可能性

カフェインは成人の場合、その摂取量が1日200mg~300mgまでであれば
何ら身体に有害な影響は無いとされています。

しかし、体重1kgあたり8mg以上のカフェインを摂取すると、めまい、吐き気
動悸、けいれんなどの急性の中毒症を起こす事があります。

大人の場合、通常の茶の飲用では問題になる量ではありませんが、
子供では摂取したカフェインの代謝が充分にできないため、体内に留まる
時間が長くなります。
子供や、胎児を宿した妊婦は、カフェインを多く含む飲料の摂取を控える
等の注意が必要です。

また、お茶で薬を飲まないようにと言われる背景の一つには、カフェインが
一部の薬効成分との相性によって、その作用を強めたり、逆に抑制したり
することで正しい薬の効果が発揮されないことがある為です。
治療を目的として薬を服用している方は、カフェインを多く含む飲料の
摂取には注意し、必要に応じて医師に相談するなどの配慮も必要です。

その他に、カフェインの過剰摂取による高コレステロール血症、カルシウム尿症
等の弊害の可能性も示唆されていますが、通常飲料として摂取する量では
ヒトの疫学調査でその傾向は認められていません。


カフェインの効果③

カフェインの摂取による代謝促進

茶成分による体脂肪の代謝促進効果については、高濃度カテキン
でその作用が確認され、特定保健用食品(特保)として認可されましたが、
カフェインによる効果も古くから知られています。

カフェインによる作用機序は、ノルエピネフリンによる脂肪の分解を促進する
効果であることが確かめられています。

最近ではカフェインとカテキン類、テアニンの相乗効果も報告されています。

つづく


カフェインの効果②

興奮作用を抑制するテアニン

ヒトに換算して、お茶1杯に含まれる量のカフェインをラットに投与し、
中枢神経の興奮に伴う脳波の変化を測定すると、投与後興奮状態を示す
β波の強度が増加し、3時間以上の継続が観察されています。

ところが、カフェインと一緒に茶の旨味成分、リラックス効果を持つ
テアニンを与えると、β波の強度が抑制されることが分かっています。

このテアニンによるカフェインの興奮を抑制する作用が、コーヒーを飲んだ時と
比較してお茶での作用が穏やかな理由の1つだと思われます。

つづく


カフェインの効果①

熱水によく溶けて苦みを呈するカフェインは摂取後速やかに吸収され、
様々な作用を体感することができます。

そのためカフェインは、茶が長年にわたって飲まれ続けてきた根本成分で
あると言われています。

これから数回、このカフェインのもつ健康効果について取り上げます。

中枢神経興奮作用

カフェイン及びその類縁体のテオフィリン、テオブロミンは、世界三大嗜好飲料として
愛飲されている、お茶、コーヒー、カカオだけでなく、コーラやマテ茶など60種類以上の
植物に含まれています。

カフェインは麻薬などと同じアルカロイドの仲間で様々な薬理作用を示しますが極度な
習慣性はありません。

カフェインの持つ代表的な作用には、中枢神経の興奮、利尿作用、心筋興奮
気管支節や環状血管の弛緩作用などがあります。
摂取したカフェインの体内への吸収は速やかで、摂取後30分~1時間程度で
血液中の濃度は最高になり、様々な効果を体感することができます。

就寝前にカフェイン入りの飲料を飲むと眠れなくなることがあるのもこのためです。

つづく



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